暮れ六つが消えてく 長い影もやがて消えてく
踊る戌の刻に あの人はまだひとり眠る
赤い彼岸の花 揺らしてかわたれまだ気ままに
軋む愛と情も 跳ねる靴の音にかすれて
消えていく
...
..
.
位置感覚損なう朔日
ニイニイぜみふと恋しくなった
散心してる 欲しがり始める
呼んでみても返りはしないのに
五里霧中の入口はどこに
ろくろくたるヨイノホシ越えて
糸竹も詩もこぼれるほど集め
蓮の糸 久遠に結んだ
..
.
引け四つが響いてうつつの夢醒めて消えてく
長い夜の途中あの人はまだひとり眠る
赤い彼岸の花 揺らしてかわたれまだ気ままに
軋む愛と情も 跳ねる靴の音にかすれて
消えていく
...
..
.
ひとりごと 触れて 蜜の ような いつの指で
無境に 泣く 約束 壊れそう
ま
だ
ひとり眠る あの人を 包む見えない繭
ふれてそっと 開いてみてみたい
で
も
よりそうたび 増えていく 肌と肌の隙間
埋められない いくども重ねても
た
だ
むつごとにもどこか似た 甘さと淋しさに
ながされてく 小さな部屋の中
ま
だ
やみは深く いくえにも 重なりつらなって
こぼす涙 静かに溶かしていく