[00:36.64]あの傘が騙した日 空が泣いていた
[00:42.49]街は盲目で 疑わない
[00:47.71]君はその傘に 向けて唾を吐き
[00:53.16]雨に沈んでく サイレンと
[00:58.36]誰の声も聞かずに
[01:01.34]彼は雨を掴み
[01:04.00]私の手をとりあの傘へ
[01:09.07]走るの
[01:11.89]二人きりの約束をした
[01:16.77]「絵本の中に見つけた空を見に行こう」
[01:22.38]刹那雨さえも引き裂いて
[01:27.34]もう悲しむ事も忘れたまま
[01:43.88]崩れ出し何処へ行く螺旋階段は
[01:49.14]煤けて響いた滴り雨
[01:54.37]泣きそうな私を そっと慰める様に
[01:59.65]君は優しく 私の手を
[02:04.65]白い影に追われて
[02:07.72]逃げた先に檻の群
[02:10.39]理由 (わけ)を探す暇も無く
[02:15.15]気も無く
[02:18.28]震えた手を 君が支えて
[02:23.16]私はそんな背中を ただ見守るの
[02:28.87]闇に溶けた 歯車は笑う
[02:33.73]ホラ微かに風が頬を撫でる
[03:04.90]白い影はもう追ってこなくて
[03:07.45]とても悲しそうに消えた
[03:09.90]錆びた匂いも煤けた黒さえも
[03:13.02]やがて色を淡く変え
[03:15.39]何処からか声が聞こえた様な
[03:17.96]気がした様な 忘れた様な
[03:20.58]螺旋階段の突き当たりには
[03:23.25]とても小さな扉が
[03:25.98]埃を纏い待っていた
[03:34.12]そこには何もかもがある様に見えた
[03:39.52]色とりどりに咲いた花 深い青空
[03:45.25]滲んだ世界に二人きり
[03:50.02]もう何もいらないわ
[03:56.04]絵本の中 とじ込んだ空を
[04:00.64]在るべき場所に返した 忘れない様に
[04:06.51]君がくれた 拙い花束を
[04:11.20]笑いながら そっと肩を寄せた
[04:17.13]世界の最後に傘を差す
[04:21.89]ずっとこんな世界ならば
[04:25.91]よかったのに
[04:28.06]悲しくないわ 君の側で...